数ある卵料理の中で、オムライスはかなり好きな方である。
一言オムライスといっても、卵の焼き加減や中のライスの味付け、最後にかけるソースによって全くの別物になってしまう。
私がオムライスと聞いて想像するのは、小さい頃に祖母がよく作ってくれたシンプルなものだ。卵1個を溶いて広げながら焼き、ケチャップライスを包んだやつ。たまにウインナーやベーコンが中に入っていると、特別美味しく感じていた。
そして毎回最後にケチャップで私の名前やハートマークの絵を描いてくれて、それが子供心をくすぐるのだ。
自分で料理をするようになってから、祖母のレシピを参考にしつつ研究を重ね、現在は私のどストライクオムライスを作ることが出来る。
オムライス=家で作るもの、というイメージが強かったので外食でオムライスを食べたことが無かった。1度試しにスーパーのものを食べたのだが、正直いって私が作るオムライスの方が圧倒的に美味しい(好みの)味だった。
ある日、ふと自分の知るオムライスと世間一般のオムライスが果たして同じものなのか疑問が生じ、思い切って飲食店で注文してみることにした。
変わり種もいくつかあったがここはシンプルに定番のノーマルオムライスで。
少し待って料理が提供された。楕円のお皿に、すっと佇んでいるオムライス。ケチャップ(トマトソース?)が真ん中にかかっていて、誰もがイメージする王道オムだ。
スプーンで端から掬って口に運ぶ。玉子はとろっとして柔らかく、ライスが上手く包まれる。
チキンライスはシンプルに玉葱が入っていて、食感が良いアクセントになっている。
うん、美味しい。
正直、感動があったかというとあまり感じられなかった。もっとケチャップを沢山かけたい、欲を言えば玉子の焼き加減をもう少し半熟にして、玉葱はもっと細かく刻んで…。
ただ、立地や人件費諸々かかった費用を考えて、約900円のこのオムライスは妥当だろう。
今回初めてお店でオムライスを食べて、シンプルな料理ほど感動を与えるのは難しいとわかった。
馴染みの料理は固定概念をもちがちで、加えて自分好みにしたものを超える、というのは難易度が高い。
オムライス。シンプル且つ奥深い。
あー、美味しかった。
明日は何を食べようかな。